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2012/11/26

婚活詐欺殺人事件の真相とその深い闇 北原みのり「毒婦。木嶋佳苗 100日裁判傍聴記」

拘留期間が長いほど、拘留所暮らしの匂い、やつれが滲むのがフツーの人間だが、約2年4ヶ月の勾留を経た37歳の木嶋佳苗に、そういった陰は見えなかった。というより・・・・・・ナマ佳苗は、生き生きと、キレイだった。(本文の冒頭より)

  アヒオ「ブログを見ているみんな!こんにちは!

僕の名前はアヒオ。今日は白鳥(しらとり)先生から、僕たちがまだ知らない世の中のことをいろいろ教えてもらうんだ。 


白鳥先生、今日の授業のテーマはなんですか?」


白鳥先生「みなさんごきげんいかがでしょうか?白鳥です。


もうすっかり寒くなってしまいましたが、読書の秋、というわけで、みなさんの心にさわやかな一陣の風が吹くような素敵な一冊を皆様にご紹介しようと思います。

題名は、北原みのり「毒婦。 木嶋佳苗 100日裁判傍聴記」です。




アヒコ「・・・。先生、これ、本当にさわやかなんですか?

題名からして全然のような気が」

アヒオ「アヒコちゃん、白鳥先生がさわやかな本を紹介するわけないじゃないか。

なにしろ前に先生が紹介した本が「もし、ドラッガーを読んでも勝てないと悟った女子マネージャーが肉体を駆使したら… 」なんだから。

木嶋佳苗って、確か数年前に婚活詐欺の殺人事件で、つきあっていた男性を次々に練炭で殺して、センセーションを巻き起こした事件の犯人ですよね?」

白鳥先生「あら、なんだアヒオ君、よく知っているわね。


そうなのよ。

この本は、インターネットで知り合った10人以上の男性たちから合計一億円以上のお金を受け取り、彼女の身の回りで少なくとも3件の殺人事件と複数の窃盗、詐欺事件が起こって逮捕された木嶋佳苗の裁判の傍聴記録なのよ」

アヒコ「ちっともさわやかじゃない・・・・・・」

アヒオ「でも、この事件は非常に興味深かったから、この本、ちょっとおもしろそうですね。


確か、当時、「どうしてこんな不細工な女にこれだけたくさんの男がひっかかってだまされたのか」ってすごく話題になっていたのと、殺害方法が練炭で、しかも用意周到にすごく巧妙に殺していたのが怖かったのを覚えています」

白鳥先生「そうなのよね。とてもショッキングで、ちょっと類を見ない事件だったから、私もとても覚えているわ。


で、この本なんだけれど、二つの特徴があって、一つ目が、いわゆる事件のルポタージュではなくて、裁判の傍聴記だってこと。

そしてもう一つは、この傍聴記の筆者が女性で、徹底的に”女性目線”でこの事件の裁判の様子を記録しているところね。

週刊誌やワイドショーに限らず、どうしても一般のメディアって”男性目線”になりがちで、しかもそれに無自覚だったりするわよね。

アヒオ君が言うように、この事件がさんざん「ブスな女による婚活詐欺」って、女性の容姿の部分がこれでもかっていうぐらいクローズアップされていたのもそうだし。

そういう意味で、女性の連続殺人犯の実像は、女性の目からどう見えるのかっていうのは新鮮で、興味深かったわね。

例えば、木嶋佳苗はおよそ被告人には似つかわしくないような服装で、公判ごとに姿を替えているんだけれど、筆者はそのディティールや、声のトーン、しぐさなんかまで細かく描写していて、それにどういう意味があるのかなど、いろいろ想像を巡らしているのよね。

これを読めば、アヒオ君も、女性なら同じ女性をどう値踏みするのか、みたいなこともわかって考えさせられるわよ」

アヒオ「なるほど。確かに筆者が女性だと、そういう部分も面白そうですね。


で、どうでした?

これを読んで事件の全貌や、木嶋佳苗の実像が少し見えてきましたか?」

白鳥先生「それがねえ・・・。


筆者は裁判の傍聴だけでは飽きたらず、木嶋佳苗の故郷の北海道まで行って彼女の生い立ちを取材しているんだけれど、これ、読めば読むほど、彼女がよくわからなくってくるのよね。

特に殺害の動機が。

木嶋佳苗は裁判の記録や証言などを見ると、婚活詐欺の見事な手際といい、相手に自分を魅力的な女性だと思わせるための見せ方といい、相手を騙すための手間を惜しまないそのマメさといい、ある意味で非常に頭のいい女性なのがよくわかったんだけれど、本人が殺人だけは否認していたこともあって、結局いくら読んでも、彼女がどうして殺人に至ったのか、ていう動機まではよくわからないのよね。

状況を聞いていると、「追い詰められてやむを得ず殺した」わけでもなさそうだし、「感情的になって殺した」わけでもなさそうなの。

すでに相手から充分お金は引き出しているから、殺すことによって相手からお金をさらに奪うこともできないし、実際していないから「金欲しさに殺した」というのも考えにくい。

こんなに頭のいい人が、どうして殺人を重ねることによって自分の立場が危うくなることが想像できないのか、どうしてここまで冷徹に人が殺せるのか。

それこそサイコパスかなにかだと単純にレッテルを貼らないと説明がつかないような彼女の行動を見ていると、ヘタなホラー小説なんかよりよっぽどホラーなのよね。

公判での堂々とした、ふてぶてしいといってもいい態度や、どう考えても裁判において自分が不利にしかならないようなことでも、妙なところにこだわりがあって、そういうことについては長々と話したりする一幕もあったりして、そこらへんのアンバランスな感じが読んでいて薄気味悪かったわ」

アヒオ「なるほど。


筆者も無理に類型にあてはめて「わかりやすいストーリー」に仕立てあげていないから、余計、彼女のことがわからなくなるのかもしれませんね。

でもそのわかりにくいところに彼女の本質があるのかもしれないな」

アヒコ「その事件のこと、思い出したわ。


確かに当時、本の題名の「毒婦」みたいな呼び名で、彼女はとんでもない化物みたいな扱いで報道されていたのよね。

でも、実際に裁判が始まって、詳細が明らかになればなるほど、彼女の異常さがますます増しているってことなんですね」

白鳥先生「そうね。とてもありがちなフレーズだけれど彼女の「心の闇」っていうのは、これを読んでもますますわからなくなってしまうぐらい深いものなのかもしれないわね。


というわけで、公判の内容だけじゃなくて、筆者の木嶋佳苗と、被害者の男性達、両方に対する冷めた視点も含めて読みどころのあるノンフィクションなので、そろそろ婚活を考えているような妙齢の男女にもオススメよ」

アヒコ「男の人はこんなの読んだら、婚活なんて怖くなってできなくなりそうですね」


アヒオ「先生、で、これのどこがさわやかなんですか?」

白鳥先生「アヒオ君、アヒコちゃん、細かいことは気にしちゃだめよ!!!


なにはともあれ、私たちの生きているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるということが勉強できてよかったわね。


それじゃあ、そろそろ時間よ。ブログを見ているお友達にお別れのあいさつをしましょうか」


三羽「は〜い!それじゃあみんな、またね〜!」



しらないことが おいでおいでしてる
出かけよう くちぶえふいてさ
びっくりしようよ あららのら?
しらべてなっとく うんそうか!
おもしろ地図を ひろげよう
たんけん はっけん ぼくのまち

(NHK教育テレビ「たんけんぼくのまち」のテーマ 作詞:山川啓介 作曲:福田和禾子)






To Be Continued...
<関連過去記事>
「もし、ドラッガーを読んでも勝てないと悟った女子マネージャーが肉体を駆使したら… 」
「結局、女はキレイが勝ち」なのか

<キャスト>



アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。


アヒコ・・・アヒル系女子。好きなスイーツは牛乳プリン。

白鳥(しらとり)先生・・・スワン系アラサー女子。カモ文化学園の教師。好きな牛丼系チェーン店は松屋。

2012/11/25

Jリーグ 第33節 サンフレッチェ広島優勝! 残留争いはいよいよ最終ステージへ

サポーターも大喜び。
サンフレッチェ広島おめでとうございます。

アヒオ「サンフレッチェ広島、優勝おめでとうございます。

せめて引き分けになってくれれば、セレッソも残留争いから完全に抜け出せたんだけど、これだけ強かったらどうしよもないです。

そして、新潟のがんばりには頭が下がります。

アヒコ「新潟が2位の仙台に勝ったから、最終節を待たずに広島の優勝がきまったのね。おめでとうございます」


アヒオ「うん。でも広島のおかげで、ボクも来週まで気が気でない日々をすごすハメになっちゃったよ。

それじゃあ今節も本当に密度の濃かったJリーグ第33節のレビューだよ」

ガチョオ「広島おめでとうございます。あんたらは強かった!

ついでにセレッソを残留争いに留めておいてくれて、感謝です。

でも・・・。でも・・・。

なんで引き分けるんや・・・。もう勝ちしかないっていっとるのに・・・。


ホーム最終戦のセレモニーのあのしらけた雰囲気・・・。たまらんわ」

アヒコ「あらー。ガンバは引き分けだったのね・・・。これで残留はかなり厳しくなったのかしら?」

ガチョオ「自力で残留はもう無理になってもうた。

次節勝って、なおかつ他の結果次第の他力本願や」

アヒオ「セレッソはまだ自力で引き分ければ残留だから条件は悪くないんだけれど、チーム状態が下向きで、相手は逆に調子を上げてきた川崎フロンターレなんだよね・・・。

・・・それはともかく、いってみようか。


ベガルタ仙台 VS アルビレックス新潟 
0-1

今節最大のサプライズだね。

新潟はよくがんばったね。これで新潟は、次節、札幌に勝てば、他の試合の結果次第では残留のミラクルの可能性がでてきたよ」

ガチョオ「しかも相手が最下位の札幌やもんな。おかげでうちは降格の条件が一つ増えてしまったがな」


アヒコ「新潟すごい!希望を捨てずにがんばってよかったわね」


アヒオ「新潟は次節、札幌に勝つのは最低条件として、ガンバと神戸がともに引き分け以下だと、残留確定だよ。

続いて、ACL出場がかかる名古屋と、これに負ければ降格の可能性が一気に高まる鹿島との一戦。


名古屋グランパス VS 鹿島アントラーズ 
1-2


鹿島は残留争いから抜けちゃったね。残念。

それにしても名古屋のなさけなさ。今シーズン、ここ一番の試合では毎回負けてるような印象だね。

まだACL参加条件の3位を狙える位置だけれど、この調子だと、期待薄かもね」

アヒコ「鹿島も最後はさすがの勝負強さね」

ガチョオ「名古屋に期待したオレがアホやったわ

アヒオ「ガチョオ君はよそに期待してばっかりだね。続いて、注目のガンバ大阪。

ガンバ大阪 VS FC東京 
2-2

いやー熱い戦いだったよ(笑)

FC東京の徳永が先制、その後、ガンバの家長が同点弾、さらに家長が逆転弾を決めて、会場の雰囲気は最高潮だったんだけど、終盤、FC東京の渡邉がゴールを決めて再度同点に追いついたんだ。

元ガンバだったFC東京のルーカスは本当にいい選手だね。攻撃に守備に、相手のいやなところに常に顔を出して大活躍だったよ。

セレッソが早々と広島に大差をつけて負けていたから、こっちの試合を途中から見ていたんだけれど、FC東京が追いついてくれた時には興奮したよ。ありがとう!FC東京!

そして


サンフレッチェ広島 VS セレッソ大阪 
4-1

もうね、本当に広島は強かったよ。


セレッソ的には負けたのは仕方ないし、ある程度想定内だったんだけれど、山口蛍のレッドカード退場が痛すぎるね。次節出場できないんだから。

あれ、レッドは厳しすぎるよなあ。酒本もこの試合で負傷してしまったから、セレッソにはもうSBが残っていないよ・・・。

次節のやりくりが大変だ」

アヒコ「セレッソも大変なのね・・・。

怪我や出場停止で戦力が整わずに負けるのは本当に悔しいわよね」

ガチョオ「うちだって加地さんと佐藤の負傷と、岩下の出場停止がなければ・・・

アヒオ「まあ、それはどこも同じだから、あまり言ってもしかたないさ。


サガン鳥栖 VS 浦和レッズ 
3-1


鳥栖は強いね。開幕前は降格候補だったのに、全くこんなに頑張るとは想像もできなかったよ

ガチョオ「ヘタしたらホンマに鳥栖がACLに出場してしまうな

アヒオ「続いて、

コンサドーレ札幌 VS 横浜・F・マリノス
0−2

ノーコメント。

そして、おなじみ残留力の大宮嬢は今節、勝利して最終節を待たずに残留を決めたよ。

大宮アルディージャ VS ジュビロ磐田 
2-0

相手が不調の磐田とはいえ、これで大宮は10戦無敗今ならクラブワールドカップに出ても優勝してしまいそうな強さだ」

ガチョオ「スロベニア代表コンビがそろってからは強さに凄みがましてきたな。

ほんまズラタンとノヴァコヴィッチはJリーグ屈指の外国人やで

アヒオ「そして残留争いの主役の一人、神戸の一戦。

柏レイソル VS ヴィッセル神戸 

1-0

まあ、神戸が勝つのは難しいだろうなあとは思っていたけれど、内容は点差以上に柏の圧勝だったね。

神戸は次節、広島に勝てば無条件で残留。引き分け以下だとガンバと新潟の結果次第だけれど、両チームが引き分け以下じゃないと降格してしまうから、とても厳しいね。

対戦相手と勝ち点差の両方で考えると、残留争いの4チームの中で新潟の次に厳しいのは、実はガンバではなくて神戸じゃないかな」

アヒコ「最終戦が首位の広島っていうのもついてないわね。

でもアヒオ君とガチョオ君的には、セレッソとガンバが両方勝って、大阪はともに残留っていうのが、考えうる一番理想的なシナリオかもしれないわね」

ガチョオ「そうやな。ガンバは次が絶不調の磐田やから、勝つのはそんなに難しいとは思わへんねん。

だから、後は神戸が引き分け以下で終わってくれればええねん」

アヒオ「セレッソとしても、神戸が引き分けで無条件で残留確定だから、ボクもそれに賛成(笑)

神戸には悪いけれど、間違っても広島には勝たないで欲しいね(笑)

広島は今節、優勝をアシストしてもらった新潟の残留をサポートするためにも神戸に対して気を抜くことなく、全力で戦って勝って欲しいな。

最後にもう一試合。

川崎フロンターレ VS 清水エスパルス 
2-1

これはもうノーコメントでいいね。

で、33節終了して、順位はこうなっているよ」

J's Goalより)


ヒコ「泣いても笑ってもあと一試合。特に残留争いをしているチームはみんながんばってほしいわね

ガチョオ「最後まであきらめへんで!

アヒオ「ボクもこうなったらセレッソを信じるしかないよ。

・・・セレッソもここ一番が弱いヘタレチームだから、神戸の弱さを信じたほうが現実的なような気がするけれどね。あと、前田の呪いと」

ガチョオ「呪いのことはいうな!

アヒオ「まあ、ここはアヒコちゃんが言うように、神戸に引き分け以下になってもらって、ガンバ、セレッソとも仲良く残留を期待するということにしておこうか。

いよいよここまで来たね。次節最終節、各チーム最後までベストをつくして欲しいね。

それじゃあ、今日はここらへんで」

三羽「それじゃあみんな、またね〜!」

To Be Continued...

アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。

アヒコ・・・アヒル系女子。好きなスイーツは牛乳プリン。

ガチョオ・・・ガチョウ系男子。好きなチームはガンバ大阪。

白鳥(しらとり)先生・・・スワン系アラサー女子。カモ文化学園の教師。好きな牛丼系チェーン店は松屋。