
今回紹介する本は、日本でもすでに大ヒットしてロングセラーになっているケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」だよ。
原題が「The Willpower Instinct」で、文字通り「意志力」に関する本だ」
ケリー・マクゴニガル「スタンフォードの自分を変える教室」

自己啓発書だったら、私も時々読むんだけれど、私って意志が弱いから、本にあんまり立派なことが書かれていても、たぶん最後までやりきれないと思うのよね」


ひょっとしてこれって、ダイエットとかにも役に立ったりするのかしら?」

ちょうどこの本で紹介されている実験の多くもまさにその「食べてはいけないのに、我慢できずに食べてしまう状況」をシミュレートしていることが多いんだ。だから、きっと役に立つと思うよ。
一口に「意志力」といっても、この本で触れられている内容は多岐に渡るので、今回はその中の
第六章 どうにでもなれ ー 気分の落ち込みが挫折につながる
この第六章の「どうにでもなれ効果」っていうのを取り上げて紹介してみるね」


もう「どうにでもなれ」ってね。
これはダイエットにかぎらず、禁煙やアルコール依存の克服、あるいは無駄遣いを我慢したり、性的衝動を抑えようとしている人なども同様で、誘惑に負けたことで自己嫌悪に陥ってしまい、気晴らしに何かしたくなるんだ。
で、その手っ取り早い気晴らしっていうのが、まさにその落ち込む原因となったことをさらにすることだったりするから、たちが悪くて、これによって悪循環にはまってしまうんだね。
アヒコちゃんも思い当たらない?」

ダイエット中に、うっかり我慢していたおいしいものを食べ過ぎちゃって、どうせもうダイエットも失敗しちゃったから、こうなったら我慢せずにとことん食べてやる!ってやっちゃって、ダイエット前より余計に太っちゃうことなんて日常茶飯事よ!
でも、そんなのをなおす方法なんてあるの?
とことん反省しろとか?まさか、もっと意志力を鍛えろっていうの?」

誰でも間違いを犯したり失敗したりはするものだから、それにどう対処するかが、むしろ重要なんだ。だから負のスパイラルに陥らないよう、すべきことはむしろ、失敗した自分を許すことなんだって。なぐさめの言葉で「どうにでもなれ効果」が緩和されるのも実験で確認されているんだよ。
そして失敗した時に、自分にもっと思いやりを持って接することができるように、心理学者が用いるエクササイズっていうのがあるんだ。
それは誘惑に負けたり、やるべきことを先延ばしにしたときのことを具体的に1つ思い出し、その時の失敗について次の3つの方法で考えるんだって。
- どんな気持ちがするか言葉にする。自己批判の気持ちがあれば、どんな言葉で自分を批判しているのか、落ち着いて考えて、自分の心の中をみつめる。
- 意志力のチャレンジに失敗するのは人間ならば当たり前で、自分自身に問題があるせいだとは考えない。
- もし親しい友だちが同じような失敗をしたら、どんな言葉をかけて元気づけたいか、どうやって励ますかを考えてみる。こう考えれば、気を取り直してまた頑張ることもできる。
こういう「考え方」を頭に入れて、失敗した時に思い出すことによって、「どうにでもなれ」効果による負のスパイラルに陥らないようにすることが大事なんだって」

思い当たることがいろいろあったけれど、方法が精神論とは一味違って、具体的だからやってみる値打ちはありそうな感じね。
でも、私、失敗して悪循環に陥らない方法だけじゃなくて、うまく最初の決意を最後まで持続させるコツとか、方法もあったら知りたいんだけれど・・・」


それはないわよ〜!」

今日はこの本に、例えばどんなことが書いてあるのかを紹介するのが目的だから、そこまで面倒はみきれないよ(笑)。
それにあんまりいっぺんに教えて、一度にあれもこれもってやるんじゃなくて、今日紹介した方法をまず実践して、少しずつ、確実に自分の意志力をコントロールする訓練を積んだほうが有益だと思うな」

そもそも、この本を自分で買って、最後まで読みきるためにも強い意志力が必要そうね・・・。私にできるかしら?」

仕方がない、少しだけヒントをあげるよ。
- 未来の記憶をつくる
- 将来の自分にメッセージを送る
- 将来の自分を想像してみる
これらは、ボクたちが将来のことを正しく思い描くのが苦手だから目先の誘惑に負けたり物事を先延ばしにしたりしてしまう、という性質を逆手にとった賢い選択をするためのアイデアだよ。
アヒコちゃんも、この本を実際に読んだら自分がどう変わって、それによってその後の人生がどういう風になるだろうってイメージしてみたら、ちょっとは頑張って読んでみようっていう気にならないかな?
おっと、そろそろ時間みたいだね。それじゃあ、今日はこのへんで」


To Be Continued...
<キャスト>




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