2012/08/10

館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技 3

前回の続き。これで最後です。

これは、特撮博物館の庵野館長の記者会見の動画です。



動画だと見る時間がない人や、面倒で見ない人もいるかと思いますが、とてもいいスピーチでしたので、それはもったいないと思い、記者会見の一部を文字起こししました。

庵野「さっき鈴木さんがおっしゃってましたけど、元々、特撮という僕が大好きだったものが、いま、正直消えつつあると。多分このまま消えると思います。これはもう仕方がないし、そういうもんだと思うんですけど。

でも、こういうものがあったっていうのは世に残しておきたいんですね。

僕がいなくなったあとも、いまの人がいなくなったあとも、いま生きている人が皆いなくなっても、これは残しておきたい。

もう可能な限り残したいんです。その願いのこれは第一歩でしかないんですよ。この先には国でも地方でも、どっかの企業でも、ちょっとお金に余裕があってこの趣旨に賛同してくれる団体があったら、常設的な特撮の展示が理想ですけど、それが無理でも特撮のミニチュアの保存とかそういうものをちゃんとやってくれる所があればなと。これはもう切にそう思っています。

ミニチュアだけではなく、いろんな技術の継承というのも続けていきたいんですけど、これはもう、僕個人の力でも如何ともし難いものなので。

ただ、特撮が持ってた映像とその面白さとその技術というものは、もっともっと世の中に残っても良いし、広がっても良いし、なんて言うんですかね、もっと好きな人がこういう所に来てくれても良いんじゃないかなと、まあ本当に思ってます。

特撮というものが、基本的にいまのやつだとCGになっちゃうんで、どうしても昭和がメインになってしまいますけど、いまの子供達が生まれる前、いまの僕らくらいの大人が子供の頃に見ていたもの。

鈴木さんくらいの団塊の世代がギリギリ味わっていた面白さみたいなものを、可能な限り、まあいろんな制約があってできないこともあるんですが、本当にできる限りのお金と時間を使って、あとは色んな想いですね。

本当に良いスタッフの方が集まってくれて、良い展示になっていってると思います。

展示内容も本当に、いまこれができるのかというくらいギュッとつまったものになってると思いますので、とにかくそこにあるものを見ていただかないと、多分その良さというのは伝わらないと思うんですよね。

こうして映像になった瞬間から、それはただの映像なので。そこにあるものじゃないんですよね。もう二次的なものですから。そういうものじゃなく、そこにあるものをまず見て欲しい。

可能な限り触れて欲しい。触れるのは色々問題なんでなかなか触れてもらえないんですけど、この(ミニチュアの)東京タワーも鈑金なんですよね。

カンカンて音がするんですよ。FRP(繊維強化プラスチック)とかじゃないんですよ。そういう面白さとかですね。

ここ(東京タワー)の下の(模型の)ビルもカンカンなんですよ。板とかじゃないんです。そういう鈑金の技術とかですね。

そういう今は失われつつあるそんな凄いものというのを、できる限り色んな人に見て欲しいと思います。

で、なんか良いなと思った人はそういうのを続けてくれれば良いなと思います。

特撮というのは国にはあまり認めてもらえてなくて、ちょっと文化庁の方にも話をしたことがあるんですけど、縁があって。

文化庁から見ればどうもこういうものはゴミらしいんですね。残す気はないと。お金は出さない。というのを言われてました。

でも現代美術館で展示するってことは、それはもう美術品ですから。これは美術品だと言い切るぐらいのハクを付けてですね、是非国のほうもこういうものを、アニメばかりじゃなくてですね、ゲームばっかりじゃなくてですね、こういう特撮、もう失われつつあるものに関しても少しは気と、お金といったものを回してほしいなと、これも切に思います」

以上です。


特撮博物館に関するオススメリンク集

(公式サイト)

東京都現代美術館 「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技

(週刊アス+PLUSの紹介記事)

リアル巨神兵が東京を襲撃!?『館長 庵野秀明 特撮博物館』開催決定【追記あり】

庵野監督が館長を務める『特撮博物館』はマジ鼻血モンだった

(特撮博物館に関する、個人のブログ記事など)

館長庵野秀明・特撮博物館に行ってきました 1Fフロア (オタクな一口馬主)

館長庵野秀明・特撮博物館に行ってきました 地下フロア (オタクな一口馬主)

巨神兵は何故東京を破壊するのか:『巨神兵東京に現る』 (冒険野郎マクガイヤー)

特撮博物館 (自転車で痩せぬオタクブログ)

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