2014/09/02

天は我々を見放したっ! 映画「八甲田山」

8月の終わりに、無性に雪山で遭難する映画が見たくなったので、TSUTAYAでもらった旧作月一作無料チケットを使って、邦画の名作、「八甲田山」を借りてみました。



公開が1977年ですから、「八つ墓村」や「スターウォーズ」と同年代の映画なんですね。


ソフトバンクのCMでも使われた芥川也寸志のテーマがすばらしい。



出てくる俳優が高倉健、北大路欣也、三國連太郎らを筆頭に、日本映画のオールスター勢揃いの豪華なメンツで、まるで邦画のアベンジャーズといった趣です。

しかし、キャストは豪華でも、映画そのものは雪山で遭難するだけの地味な映画です。

この映画を自分なりに勝手に解釈すると、トップが無能だと、現場がいくら一生懸命がんばっても、台無しになってしまうという、組織で働いたことのある人なら誰しもが共感できるテーマを描いた話だと思いました。

三國連太郎扮する大隊長が、その無能ぶりを遺憾なく発揮して、ストーリーの序盤から、最近の言葉でいうところの「死亡フラグ」を立てまくってくれます。見ている方は「北大路欣也さん、逃げてー!!!」と手に汗を握ります。そして、後は時間の経過とともにフラグを一つ一つ回収して、悲劇的な結末を迎えるのを待つばかりという寸法。

そしてクライマックス、この映画を語る上でかかせない北大路欣也の名台詞「天は我々を見放したっ!」に、神の視点から見ている無責任な観客である私は、「いや、あんたら自滅やん・・・。それだけ失策重ねておいて、今さら天のせいにしてたらあかんやろ・・・」と思わずにはいられませんでした。

基本、ほとんど雪山のシーンばかりで、ストーリー展開がバレバレのわりに、長い映画なので、途中で多少退屈はしたものの、音楽、映像も含めて非常に堪能できました。

全然褒めていないような気がしますが、おもしろかったですよ。

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