僕の名前はアヒオ。今日は白鳥(しらとり)先生から、僕たちがまだ知らない世の中のことをいろいろ教えてもらうんだ。
白鳥先生、今日の授業のテーマはなんですか?」
白鳥先生「今日のテーマはズバリ、「結局、女はキレイが勝ち」よ」
アヒコ「え!?ひょっとして、最近よく聞く「女子力アップ」とかのお話ですか?」
アヒオ「うーん。そういうお話だったら、僕にはあまり関係ないからつまらないなあ」
白鳥先生「二人とも早とちりしないで。「結局、女はキレイが勝ち」というのは本の題名だから。今日はこの本を紹介して、「女はやっぱりキレイが勝ち」なのかどうかを二人に考えてもらおうと思っているの。著者は経済評論家の勝間和代さんよ」
アヒオ「経済評論家がどうしてそんな本を書いたんですか?」
アヒコ「「キレイが勝ち」だなんて、そこまでいうなんて勝間さん、すごい自信よね」
白鳥先生「なにはともあれ、百聞は一見にしかずというから、ちょっと本を見てみましょうか」
アヒコ「・・・・・・」
アヒオ「これは・・・・!?」
白鳥先生「はいはい、二人とも表紙を見たぐらいで絶句しない。結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしたらだめよ。
この本は「外見をキレイにして、内面を高めていけば、仕事も、恋愛も結婚も、お金でも幸せになっていくことができます(「はじめに」より)」と断言するスーパーキャリアウーマンの勝間和代さんによる、一種の自己啓発書よ」
アヒオ「先生、これ自分のお金で買ったんですか?」
白鳥先生「そんなわけないじゃない。友だちにもらったのよ。
もっとも、その友だちもブックオフで105円で買ったみたいだけどね」
アヒオ「・・・・・。
それはそうと、勝間さんも、よくこんなの出版しようと思いましたよね」
白鳥先生「でも、そんなに馬鹿にしたものでもないわよ。奥付を見ると初版が2009年12月17日発行で、手元にあるのは2010年1月15日発行の第三版だから、一ヶ月足らずで二回も増刷がかかっているってことになるわね。この本、結構売れたんじゃないかしら。
ちゃんと結果を出すあたり、勝間さんさすがよね。「キレイが勝ち」というだけあって、人生の勝ち組ね」
年収は10倍アップ、体重は10kgダウンってどうかしら? |
アヒコ「『年収は10倍アップ、体重は10kgダウンってどうかしら?』って、「どうかしらって」いわれても・・・」
アヒオ「言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごい自信だ」
白鳥先生「アヒコちゃんもアヒオ君も、結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしたらだめよ。これだって聞きようによっては、天才的なコピーじゃない。
最初のカラーページでダイエットに挑戦した勝間さんのビフォーアフターの写真が載っているのよ。カツマー(勝間和代ファン)にはたまらないわね。ちなみに勝間さん、専属のスタイリストも雇ったらしいわよ。キレイになるために貪欲な勝間さん、さすがよね」
アヒオ「もう最初の数ページだけでお腹いっぱいなんですけれど」
白鳥先生「アヒオ君、何を言ってるの!これからが面白いのよ!
写真のページが終わるといよいよ本編がはじまるのよ。「私をキレイに磨く知恵と技術」というコーナーから一部紹介してみるわね。
(引用)
そもそもセミロングは、どんな人もかわいく見せてくれます。同じ人がショートとセミロングだったら、セミロングのほうが確実に美人に見えるのです。ということは女同士が「かわいい!」とショートを褒めるのは、ライバルを蹴落とそうとする本能的行動なのかもしれません。
(引用終わり)
アヒコ「えー!?」
アヒオ「これは単なる勝間さんの邪推じゃないでしょうか」
白鳥先生「アヒオ君、結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしたらだめよ。勝間先生らしい、論理的な分析じゃない。
でもこのぐらいで驚いたらだめよ。同じく「私をキレイに磨く知恵と技術」より、この本のクライマックスともいえる勝間メソッドをここで特別に紹介するわね。
(引用)
これはあまり大きな声では言えませんが、Hもキレイのための重要アイテムです。
(中略)
そういう意味で結婚がいいのは、特定の相手といつでもHができるからです。しかもホテルを使うよりお金がかかりません。
最近、1平方メートルあたり1000円というホテルの法則を見つけたのですが、50平方メートルのスイートは1泊5万円、結婚して50平方メートルの家に住めば家賃12万円で、2晩半で元が取れてしまう計算です。
相手の確保と経済面を考えても、やっぱり「誰かとホテルに行くより結婚」をお勧めしたいです。
(引用終わり。太字は原文のママ)
アヒコ「そ、そうなの!?」
アヒオ「先生、この人、頭がオカシイと思います」
白鳥先生「アヒオ君、結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしたらだめよ。経済評論家の勝間さんらしい具体的な数字に基づいた説得力のある分析じゃない!
これを読めば誰でも結婚がどれだけ経済的に有利かが一目瞭然ね」
アヒコ「先生、この本にはこんなことばかり、えんえんと書かれているのですか?」
白鳥先生「アヒコちゃん、こんなことばかりなんていわないの。でも、前半部は主にそんな感じね。他にもこんな斬新なデータもあるわよ。
(引用)
そもそもDV男やモラハラ男は、結婚してみないとわからないことが多いのです。DV男に遭遇する確率は5%~10%もあって、乳がんにかかる確率より高いのです。
(引用終わり)
アヒオ「どうして乳がんにかかる確率と比べるのかよくわかりません」
白鳥先生「アヒオ君、結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしたらだめよ。先生もこの理屈はよくわからないけれど、勝間さんがいうことだからきっと正しいのよ。
こんな感じで前半部分は主に女性のプライベートな部分についての知識や技術の紹介が主で、後半は仕事に関することや、女性の職場での振る舞い方についてのアドバイス的なものが多いわね。他にも勝間先生のサラリーマン時代のエピソードも紹介されているわ。
(引用)
能力以上に根回しが大事という会社の掟を知らなかったため、20代前半の私は、「能力があって仕事さえできれば文句は言われない」と思い込んで、そのように振る舞い、男性の先輩社員や直属の上司からパワーハラスメントにあいました。
わざとへんな指示を出されて足を引っ張られたり、人事に提出する書類に低い評価を書かれたり、理不尽な思いもいっぱいしました。
当時は、会社のお偉いさんに直訴するなど力技しか使えませんでしたが、入社してすぐの20代前半でそういう体験をたくさんしたのは、かえってよかったと思います。
(引用終わり。太字は原文のママ)」
アヒオ「これは・・・。
これを読んだだけで、そりゃこの人、男の上司に嫌われるわって、すごく納得してしまいました」
アヒコ「自分全肯定で、もしかしたら自分の振る舞いに問題があったのかもしれないという視点ゼロだもんね。「自分に能力があって仕事ができる」のを揺るぎない事実として認識しているし、こういう人が部下だと上司の人もやりにくかったでしょうね」
白鳥先生「結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしてはだめだけど、勝間さんが過去のプレジデントの読書特集で「年収800万が嫌いな著者1位」になったのは伊達じゃないわね。
とまあ、こんな具合に勝間さんの個性が光る快作だから、特にキレイなりたい女性や、幸せになるためのヒントが欲しい女性はぜひ買って読んで欲しいわね。男性もこれを買って部屋においておけば魔除けぐらいにはなるかもしれないから、オススメよ」
アヒコ「先生、全然説得力がありません。それにさらりとひどいこと言い過ぎです・・・」
アヒオ「こんな投げやりなオススメの仕方も珍しいと思います」
白鳥先生「アヒオ君、アヒコちゃん、結局、女はキレイが勝ちなんだから、細かいことは気にしちゃだめよ!!!
なにはともあれ、私たちの生きているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるということが勉強できてよかったわね。
それじゃあ、そろそろ時間よ。ブログを見ているお友達にお別れのあいさつをしましょうか」
三羽「は〜い!それじゃあみんな、またね〜!」
しらないことが おいでおいでしてる
出かけよう くちぶえふいてさ
びっくりしようよ あららのら?
しらべてなっとく うんそうか!
おもしろ地図を ひろげよう
たんけん はっけん ぼくのまち
(NHK教育テレビ「たんけんぼくのまち」のテーマ 作詞:山川啓介 作曲:福田和禾子)
To Be Continued...
<キャスト>
アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。