2013/08/06

300万円値打ちあるやろ? 映画「立候補」

マック赤坂は今回の参議院選を最後に引退
アヒオ「ブログを見ているみんな、こんにちは。

ボクの名前はアヒオ。

実は先週、世間で話題の映画を見に行ってきたんで、今日はそのお話をしようと思んだ」

アヒコ「あら、アヒオくん、話題の映画って、ひょっとして宮崎駿監督の『風立ちぬ』を見に行ってきたの?」

アヒオ「違うよ、アヒコちゃん、なにをいってるの。

もっといい映画だよ。

おそらく、今年の年間ベスト級のすごい映画だよ。

その名も『立候補』

映画「立候補」公式サイト





アヒコ「え?

知らない・・・」

ガチョオ「まあ、アヒオがイチオシする時点で、普通の映画やないとは思ってたけど、また変なもん見てきてんな

アヒコ「どんな映画なの?」

アヒオ「この映画はね、泡沫候補の選挙戦を追ったドキュメンタリー映画なんだ。

主な舞台は2011年の大阪府知事選

この選挙に立候補した泡沫候補達を、泡沫の中でも特に目立つ存在だったスマイル党の総裁、マック赤坂とその周囲の人たちを中心に、追いかけていくんだ。

他にも、かつての府知事選で豊臣秀吉のコスプレのポスターで大阪府民にはおなじみの羽柴誠三秀吉も、出てくるよ(残念ながら彼は今回の府知事選は病気のため、立候補をあきらめたんだけれど)。


羽柴誠三秀吉


アヒコ「マック赤坂?だれ、それ?」

ガチョオ「マック赤坂も知らんのか?

ある意味有名やぞ。いっつも政見放送に出てる、スマイルセラピーの人や。



オレはついこの間の参議院選挙の時、やつが渋谷で演説しているの見たぞ。


確か「いつスマイルするんですか? 今でしょ!」とかやってたな。


アヒコ「・・・。

この映画、本当におもしろいの?」

アヒオ「うん、これがびっくりするぐらいおもしろいんだよ。


外人の困惑がおもしろい。

あちこちで邪魔者扱いされながら、時には選挙区の大阪と全然関係のない京都まで行って、選挙演説(というより、ほとんど音楽を鳴らして踊っているだけ)を続けるマック赤坂。

「どうせ当選するはずがないので、これ以上お金をかけてもムダだから、なにもやらない」と立候補しながらずっと家に引きこもったまま本当になにもしない岸田修。

ただただ通行人に「よろしく」と言うだけの高橋正明。

最初から四位狙いの中村勝。

などなど、舞台がたまたま大阪だったからなのか、泡沫候補にすばらしくいいキャラばかりがそろっていて、最初はただただ笑えるんだけれど、インタビューを聞いていくと、彼らは彼らなりに「戦う理由」があって戦っているんだ、とわかるんだ

アヒコ「でも確か、選挙って、立候補するのに供託金とかいって結構な額を払わないといけないのよね?

それなのに負けるとわかっている戦いをするなんて奇特な人たちよね」

高橋正明
供託金は府知事選で300万円。
有効投票総数に対して一定票に達しない場合、供託金は没収

アヒオ「たしかにそうかもしれないね。

でもね、映画の後半、マック赤坂が府知事選で橋本陣営の松井一郎、去年の衆院選で安倍晋三がそれぞれ演説しているところへ、強引に割って入って演説しようとして、彼らの支持者達から非難轟々の場面があるんだけれど、そういうのを見ていると、うまくいえないけれど、妙に感動というか、心を震わせるものがあったな。

実際、この映画を見ている大部分の人たちって、巨大なバックや知名度を持つ橋下陣営の松井一郎や安倍晋三の側ではなくて、どちらかというと泡沫候補達の側の立場に近い一般人なんだよね。当たり前だけれど。

しかも彼らは自分たちとは違って、そんな無謀とも言える戦いの舞台に上がっているんだよね。

もちろんそれは単に愚かなことかもしれない。でも、負けることを承知でそれでも戦おうとしている彼らの姿を見ていると、我が身を振り返り、果たして自分は彼らを、馬鹿にする資格があるのだろうか、とも思うんだよね。

そこでこの映画のコピーの一つである「あなたはまだ、負けてすらいない」が思い出されて、なんとなくじわじわと感じるものがあったな。




ガチョオ「ふうん。まさかそんなネタにしかならんような泡沫候補の映画にそこまで思い入れをしてしまうなんて、そりゃすごいな」

アヒコ「それじゃあ、意外と真面目な映画なのね」

アヒオ「そうだね。人によって、印象に残るポイントはいろいろ違うと思うけれど、映画の冒頭に出てくる外山恒一の、これまたエキセントリックな演説や、その後の彼の率直なインタビューなんかも、大げさに言えば民主主義ってなんだろう、選挙ってこれで本当に正しいのかな?みたいに映画を見た後で少し考えさせられたしね。




ガチョオ「外山恒一といえば、政見放送で『選挙で何かが変わると思ったら大間違いだ!!』とか言ってたやつやな」


アヒコ「あら、ガチョオくん、よく知っているわね」

ガチョオ「まあ、なんだかんだ言って、オレも政見放送の泡沫候補ウォッチャーやからな」

アヒコ「・・・」

アヒオ「まあ、そんなこんなで、すごくよくできたドキュメンタリーで、それだけではなくて、ただただ面白いものを見て、映画館で笑いたい、っていう期待にも十二分に答えてくれると思うので、上映している映画館が少ないのが難だけれど、ぜひこれは映画館で、他の観客と一緒にこの映画の泣き笑いを体験して欲しいな

アヒコ「アヒオくんがそこまで言うなら、私もだまされたと思って見てみようかしら」

ガチョオ「これは、泡沫候補ウォッチャーのオレも見とかんとあかんやろうな」

アヒオ「この映画は、見たら、きっと一言では言い表せないいろいろな考えや感情がぐるぐる回って、他の人にも見てもらいたくなることうけあいだよ。


みんなでスマイル!
左からプロデューサーの木野内哲也
マック赤坂
監督の藤岡利充
マック赤坂の秘書の櫻井さん
ちょっとまだ気が早いけれど、今年の日本映画ナンバーワンは、「立候補」で決まりかもね。

もしみんなも見に行ったらぜひ、感想を聞かせて欲しいな。

それじゃあ、今日はこのぐらいで」

三羽「それじゃあみんな、またね〜」

<公式サイト>


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<キャスト>

アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。最近のお気に入りはイナバのタイカレー缶(イエロー)。今年の目標は紅楼夢読破。


アヒコ・・・アヒル系女子。真面目で好奇心旺盛な女の子。好きなスイーツは牛乳プリン。現在、ダイエットに挑戦中。


ガチョオ・・・ガチョウ系男子。好きなチームはJ2のガンバ大阪。


白鳥(しらとり)先生・・・スワン系アラサー女子。カモ文化学園の教師。独身。学園のマドンナ的存在で、密かに思いを寄せる男子生徒多数。好きな話題はシモネタ。好きな牛丼系チェーン店は松屋。

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