2013/12/28
映画「ブランカニエベス」 スペインの白雪姫は闘牛士になった
映画「ブランカニエベス」を見ました。
スペインの映画で「ブランカニエベス」とは、スペイン語で「白雪姫」の意味。 白黒でしかもサイレント映画です。
予告編の動画を見てもらえばわかる通り、映像も音楽もすばらしいです。
感想ですが、本当に終盤まで「今年のベストかも」というぐらいすごく良かったです。ただ、ラストが・・・。
本当にいい映画だったのですが、惜しい、非常に惜しかったです。
以下、少しネタバレありで続きます。
舞台はスペインのアンダルシア州。
主人公の少女カルメンは有名な闘牛士の娘で、白雪姫よろしく、継母にいじめられながら、けなげに美しく成長します。
ある日、継母によって命を狙われたカルメンは、運良く闘牛士団の小人たちに救われ、彼らと行動を共にすることになり、自身も闘牛士になります。
やがてカルメンは闘牛士として成功し、彼女のことは、やがて継母の知るところとなり・・・。
というわけで、白雪姫の舞台を現代のスペインへ移し、お伽話にギリギリ、リアリティを持たせていて、すごくうまいなあと思って終盤まで見ていたのですが(特に白雪姫といえば定番の「鏡よ鏡、鏡さん、世界で一番美しいのは・・・」の場面の表現のしかたには感心しました)、終盤、突然、なんの脈絡もなく毒りんごが出てきたあたりから、おかしくなってしまいました。
この映画のそこまでの表現方法を考えると、別に「毒りんご」を出さずに、それをイメージするなにかを出せばいいようなものなのに、ずばりそのものが出てきてしまったため、話がすごく不自然になってしまいました。
そして、どう考えてもこのまま終わったらだめだろうというところで、エンドロール。いつ終わったのだかよくわからないアンハッピーエンド。
この映画は、そういうひねりかたをする映画じゃあないだろうに。
「ダークファンタジー」という宣伝文句もあったのですが、それならそれで、もっとうまくオチをつけないとダメだと思います。
それが難しいなら、普通にハッピーエンドにしておけば、充分きれいに終わっていたのに、ムダに凝ったことをしようとして、滑ってしまった印象です。
映画は必ずハッピーエンドでないとダメだとは言いませんが、アンハッピーエンドにするなら、それなりにうまくやってくれないと、後味が悪いだけではなくて、映画全体のバランスまで悪くなってしまって、評価を大きく落とさざるを得なくなってしまいます。
と、不満はあったのですが、この映画、白黒、かつサイレントのために美しい映像と音楽がなおのこと際立ち、なかなか通常の映画では得難い体験ができました。
最後の着地で失敗したので、見終わった後の印象はあまりよくありませんでしたが、予告編を見て、面白そうだと思った人なら、上映館は少ないのですが、見て損はない映画です。
本当に惜しい映画でした。
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