オタク部屋を掃除しよう！

アヒオ「ブログを見ているみんな！こんにちは！

僕の名前はアヒオ。今日はアヒコちゃんといっしょに、白鳥（しらとり）先生に僕たちが知らない楽しいところへ連れて行ってもらうんだ。　

白鳥先生、今日の目的地はどこですか？」

白鳥先生「今日は、都内某所のマンションのお掃除よ」


アヒコ「えー！？お掃除？、先生、今日は探検じゃないんですか？」


白鳥先生「うふふ。間違いなくこれは探検よ。それもアヒコちゃんがこれまで体験したことがないような、大冒険になるから楽しみにしてくれてもいいわよ。アヒオ君、用意しておくようにいったマスクと軍手はちゃんと人数分用意したわね？」

アヒオ「はい。一応先生に言われた通り持ってきましたけれど、たんに家の掃除をするだけだったら、マスクや軍手は少し大げさじゃないんですか？引越しするわけじゃないんですし」

白鳥先生「油断は禁物よ、アヒオ君。現場へ行けばわかるわ。今回の場所はマスク無しでは健康被害の恐れもあるから、死にたくなかったらマスク着用は絶対忘れちゃダメよ。あ、そろそろマンションが見えてきたわね」

＜マンションに入り、エレベーターに乗って、部屋の前までたどりついた三羽＞

白鳥先生「それじゃあ、みんなマスクは着けたわね？心の準備は大丈夫？」

アヒコ「はい！大丈夫です。覚悟はできてます！」

アヒオ「ゴクリ・・・」

廊下

アヒコ「玄関を開けてすぐの廊下からしてすごいわね」

アヒオ「テレビでこういうゴミ屋敷、見たことあるよね」

白鳥先生「こんなものはまだ序の口よ。部屋を順番に見ていきましょうか」

アヒコ「！部屋の中にどうして自転車が！？」

アヒオ「棚には自作パソコンが数台にプリンタ、未開封のフィギュアの箱やDVDボックスもたくさんあるね」

白鳥先生「オタクの家にはよくあることよ。これぐらい、どうってことないわよ。さ、次の部屋へ行くわよ」

アヒコ「ここも、一部屋まるまる死んでいる・・・」

アヒオ「この部屋の奥にも本やDVDがつまっているとおぼしきダンボールが積んであるね」

白鳥先生「さあ、ここらへんは軽く流して、次はいよいよメインのリビングよ」

アヒコ「！！！　なによ、これ！」

アヒオ「これはダースモールだよ」

アヒコ「そういうことじゃなくて・・・。どうして個人の自宅にこんなものがおいてあるのよ！」

白鳥先生「オタクの家にはよくあることよ」

アヒコ「・・・」

アヒオ「ホコリが・・・」

アヒコ「・・・マスクが必須だということがよくわかったわ」

白鳥先生「このハウスダストを見れば、健康被害というのがけっして大げさじゃないのがわかったでしょ？　カーテンにふれる時はそっと触らないとホコリが宙を舞うわよ」

家主のベッド替わりのソファ

パソコン部屋

アヒコ「床が・・・」

アヒオ「見えない・・・」

白鳥先生「キッチンも見てみましょうか」

アヒコ「よかった。キッチンは意外とましね」

アヒオ「ましかな・・・？　ここもホコリがたまって人が使った形跡がないな。冷蔵庫もないし、本当にここは人が住んでいるんだろうか」

白鳥先生「家主いわく、キッチンは料理にはほとんど使わず、物置と化して久しいらしいわよ。生ゴミや残飯なんかの汚臭がしないのは不幸中の幸いだったわね。

さあ、それじゃあみんな！お掃除をはじめましょう！」

＜掃除をはじめる三羽＞

アヒコ「このホコリの量・・・。いったいどうやったらここまでホコリがたまるのかしら。雑巾で拭いても一往復じゃあとれないのよ！！！」

アヒオ「先生が軍手必須といったわけがわかったよ。本やDVDも、机や椅子も、どこもかしこも何を触っても『手でつまめる』レベルのホコリがたまっているもんね」

白鳥先生「家主によると、震災のあった日に、家に帰ってきて物が散乱している様子をみても『ああ、いつもどおりだな』としか思わなかったらしいわよ」

アヒコ「押入れや収納の棚の中にも本やマンガや、それにCDやDVD、ブルーレイディスクがいっぱい！

それになにこれ！？未開封のやつがいっぱいあるじゃない！？買っただけで見ないわけ？」

アヒオ「ダブっているのもそうとうあるんだけれど・・・。

大航海時代OnLineの攻略本なんか６冊ぐらい同じものがあるよ」

白鳥先生「オタクの家にはよくあることよ。未開封なのはとりあえず買っておいてそれで満足しちゃったのね。ダブりが多いのはたぶん、物を探そうにも物が多すぎてどこにあるのかわからなかったり、わかっていてもうかつに物を動かすと、雪崩が起きたりホコリが舞い上がったりして危険だし、買ったほうが早いからね」

マッサージ機

アヒコ「足のマッサージ機まで」

アヒオ「他にもあさっていると、昔、通販番組で見たことのある健康器具がいろいろでてくるよ。あ！これは『ボディーブレード』」

白鳥先生「オタクの家にはよくあることよ。きっと通販番組を見ていて、カッとなって買っちゃうんでしょうね」

アヒコ「キッチンには冷蔵庫がないのね・・・。なぜか未使用の電子レンジや炊飯器はあるのに」

アヒオ「先生！キッチンから軍用レーション（野戦食）が出てきました！

かつお節や胡椒は2002年に賞味期限がきれています！」

アヒコ「先生！キッチンの引き出しから、レディースコミックが・・・」

白鳥先生「オタクの家ではよくあることよ」

アヒコ「ダース・ベイダー・・・」

アヒオ「ライトセーバーはスイッチを入れた時、振った時、なにかに当たった時にそれぞれ違った効果音が鳴るんだよ。

それにこのマスク（これも例によって２個あるんだけれど）、ただかぶるだけじゃなくて、付属のボイスチェンジャーで低い声までだせるすぐれものだよ」

アヒコ「そういう問題じゃないと思うんだけれど・・・」

白鳥先生「アヒコちゃん、ここはオタクの家なのよ」

アヒコ「・・・」

 

アヒコ「体重計まで３つもでてきたわ・・・」

アヒオ「先生、ここって一人暮らしの男性の部屋ですよね？」

白鳥先生「ほら、体重を測りたいと思ったら体重計がどこにいったかわからなくなっちゃうってことがよくあるじゃない？これは、そういう時のための予備よ」

アヒオ「普通はないと思います」

アヒオ「リモコンもずいぶんでてきたな」

アヒコ「もはやどれをつかえばテレビがつくのかわからないわ・・・」

アヒコ「電話・・・」

アヒオ「先生、こういうのもオタクの部屋にはよくあることなんでしょうか？」

白鳥先生「・・・。アヒオ君、先生にだって、わからないことはあるわ」

アヒオ「本棚の左下に入っている缶は、『燃えよドラゴン』でブルース・リーが最初にでてきた時につけていたグローブが入っているらしいよ」

アヒコ「もう別になんだっていいけれど・・・」

アヒオ「ダブりは本やマンガやDVDだけじゃないのもすごいな。

マウスやキーボード、携帯電話なんかがいくつもあるのはまだかろうじて理解できるんだが（それにしたってそれぞれ５〜１０個は多すぎ）、爪切りや耳かき、ドライバーセットなんかがいくつも出てくるのはなんなんだ！？

それにゲーム機は当たり前のようにドリームキャストやゲームキューブ、ワンダースワンやらプレステ１，２，３などに加えてジョイスティック類や『太鼓の達人』用の太鼓があるし、iPodやPSP、任天堂DSもそれぞれ複数台ある・・・。

パソコンに至っては多すぎて数える気にもならないぐらいあるのに、これに加えて自作パソコン用のパーツが大量にあるんだから驚きだよ！」

白鳥先生「だから言ってるじゃない、探すより買ったほうが早いのよ」

アヒコ「アヒオ君、大変！『たけしの挑戦状』のカセットがでてきたわよ！」

白鳥先生「はいはい、いちいち驚いていないでお掃除、お掃除！」

＜８時間経過＞

パソコン周りもすっきり

棚もすっきり

キッチンも奇麗に

白鳥先生「は〜い、床も見えたし、ホコリも綺麗に拭いて、だいぶ片付いたから、今日はこのぐらいでおしまいにしましょうか。続きはまた今度ね。みんなのがんばりのおかげでずいぶんきれいになって、人が住めそうな空間になったわ。

おつかれさま。アヒオ君、アヒコちゃん、今日はどうだった？」

アヒコ「はい！人ってここまでダメになっちゃえるんだな、っていうことがよくわかって勉強になりました！」

白鳥先生「そうね。素人はなかなかこの域には、なろうとおもってもなれるものでもないけれど、今日は人類の暗黒面の一端がのぞけてよかったわね。アヒオくんは？」

アヒオ「どんな環境でも人間てちゃんと生きていけるんだな、と人間の適応能力の強さを再認識しました」

白鳥先生「だめよ、アヒオ君。この過酷な環境をサバイブできたのはあくまで家主が特別だからよ。素人が真似すると、本当に死ぬかもしれないわよ！

このブログを見ているお友達も、絶対真似したらだめよ。

アヒオ君、いいこと教えてあげる。

みんなにはまだ大事なことを言っていなかったけれど、実は家主は、私達が来るというので、前もって書籍を段ボール箱15箱分ブックオフに引き取ってもらって、不要なものを70リットルゴミ袋50袋以上、自分で処分してくれていたのよ」

アヒオ「！！！　そ、それだけ処分してこれだったんですか！？」

アヒコ「どうやってそれだけの物が、部屋の中に収まっていたの！？この部屋はブラックホールなの！？」

白鳥先生「私たちの生きているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるということが勉強できてよかったわね。

それじゃあ、そろそろ時間よ。ブログを見ているお友達にお別れのあいさつをしましょうか」


三羽「は〜い！それじゃあみんな、またね〜！」

しらないことが　おいでおいでしてる

出かけよう　くちぶえふいてさ

びっくりしようよ　あららのら？

しらべてなっとく　うんそうか！

おもしろ地図を　ひろげよう

たんけん　はっけん　ぼくのまち

（NHK教育テレビ「たんけんぼくのまち」のテーマ　作詞:山川啓介 作曲:福田和禾子）

To Be Continued...

＜キャスト＞


アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。

アヒコ・・・アヒル系女子。好きなスイーツは牛乳プリン。

白鳥（しらとり）先生・・・スワン系アラサー女子。カモ文化学園の教師。好きな牛丼系チェーン店は松屋。

 　

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