


僕たちはこれから白鳥(しらとり)先生に、僕たちがまだ知らない世の中のいろんなことを教えてもらうんだ。
白鳥先生、今日もよろしくおねがいします。今回のテーマはなんですか?」

アヒオ君、アヒコちゃん、今日のテーマは、なんと教育問題よ。たまには私達も真面目なテーマでお勉強しないとね。二人とも、しっかりついてきてね。
実は、日本の教育現場における中国語の地名や人名の表記が今、大変なことになってるの」

でも中国語って全部漢字で、別に日本語にしてもそのまま漢字を使うだけだから、特に問題ないようにおもえるんですけれど」

ところが今、教科書や地図帳では、中国語の固有名詞を漢字表記ではなくカタカナ表記にしようという流れで、ちょっと変なことになっているのよ」




これについて今、問題提起しているのは、中京大学教授(中国文学)の明木(あけぎ)茂夫先生よ。
だから本当は明木茂夫先生の「と学会」での発表の動画を見たり、著書を読んだりするのが一番いいんだけれど、そういう時間がない人もいるでしょうから、今日はここで簡単に紹介するわね」
明木茂夫先生の「と学会」での発表。(2012年にも先生はこのテーマを「第21回日本トンデモ本大賞」で発表していますが、最新のものが現在視聴できないので、今回は2010年のものを紹介。8分ほどの動画です)

「と学会」について解説しだすと話が長くなりすぎて、それだけで今回終わっちゃうので、気になったら後で自分で検索してちょうだいね」

まず、今の学校社会科教材の地図帳の中国地名の表記がこれよ。
スーチョワン (四川)
チョンチン (重慶)
チョンツー (成都)
チャンチュン (長春)
チョンチョウ (鄭州)
コワンチョウ (広州)
こんなふうに、先に漢字があってその日本語読みをひらがなでかっこに入れて表記するのではなくて、カタカナ現地音表記がメインで、漢字表記がカッコ入りで小さく添えられているの」
例えば「遼東半島」も本によって「リヤオトン半島」だったり「リャオトン半島」だったりするのよ。
実際に地図帳を調べてみたので、紹介するわね。
二宮書店の地図帳 江西省は「チアンシー省」 香港は「ホンコン(シアンカン)」 |
帝国書院の地図帳 江西省は「チヤンシー省」 香港は「ホンコン」 |
それなら最初から漢字で覚えておけば表記のぶれの心配がないし、中国人とも漢字で話が通じるのに。
それに、香港を「シアンカン」ってなによ?そんなこといってる人、聞いたことないわ。
広東だって「カントン」でどうしてだめなのかしら。広東料理は「コワントン料理」と読むのが正しいとでもいうのかしら?」
ワンリー長城 (万里長城)
ター運河 (大運河)
ウェイ川 (渭水)
チュー川 (珠江)
オーメイ山 (峨眉山)
タイ山 (泰山)
タイ湖 (太湖)
ホワンホー(黄河)
チャンチアン (長江)
![]() |
ワンリー(万里)長城。 どう考えてもカタカナはいりません。 |
こんな表記が盛り沢山よ。これをトンデモと言わずしてなんと言うという感じね」

だから例えば「桂林」という地名の場所がどこにあるのか調べたくなった時、索引を「けいりん」で引いても、でてこないの。
じゃあどうしないといけないかっていうと、「コイリン」で探さないといけないのよ。だから、あらかじめ「コイリン」という読みを知っておかないと索引が使えないのね」

ところで、この「桂林」が「コイリン」っていうのは、現地音表記ってことは、中国人や、中国語がわかる人にこう言ったらわかるんですか?」

前にも言ったと思うけれど、中国語の発音を正確にカタカナにするのはそもそも無理なんだ。
例えば、桂林はピンイン(発音記号)で「Guìlín」と書くんだけど、これをカタカナにする時、今のところ明確なルールはないから、たとえ中国語を知っていても、これがカタカナで「コイリン」になるかどうかなんて、全くわからない。
もし僕が無理やりカタカナにするとしたら「グイリン」ってするだろうな。
だからいくらカタカナ現地音表記を覚えたって、それをそのまま中国人に言っても、彼らは何を言ってるか全くわからないだろうね。漢字で覚えておけば、それを書けば中国人にだってほぼ伝わるのにね。
でも、白鳥先生、なんでこんなことになってしまったんですか?
ひょっとして文部科学省の人って馬鹿なんですか?」

この国を支えている優秀な彼らのことだから、私達凡俗にはとても考えも及ばないような深い考えあっての方針なのかもしれないじゃない!」




この方針にどういう意味があるのかよくわからないけれど、その結果がこの混乱なのよね。
もっと詳しいことは明木茂夫先生の講義や著書で説明してくれているから、興味がある人はそちらを見てちょうだいね」


この流れのまま進んで、今後、日本語の中国関係の出版物の固有名詞が全部カタカナになっちゃうっていう可能性もゼロじゃないからね。
万一そうなったら、これまで社会の中で慣用的に使われてきた漢字表記や漢字の読みと文部科学省の決めたカタカナ表記との違いに混乱必至だな」


彼らが将来、中国語を学んだり、過去に書かれた中国関係の文章を読む時、改めて漢字表記を学ばないといけなくなってしまって、きっと僕たち以上に苦労するだろうね。
それってかつて漢字を捨てたベトナムや朝鮮がそうなってしまったように、日本の先人がこれまで積み上げてきた漢籍や中国関連の書籍などの過去の遺産が、専門的に勉強している人以外には全く理解不能なものになりかねないわけで、大げさに言えば、日本の文化破壊じゃないかな」

こうなったら文部科学省のバ・・・、ゲフンゲフン。もとい、文部科学省の方たちに一刻も早くこの愚かな方針を改めてもらうためにも、明木茂夫先生の今後の活躍を私達も陰ながら応援していきたいわね。
なにはともあれ、私たちの生きているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるということが勉強できてよかったわね。
それじゃあ、そろそろ時間よ。ブログを見ているお友達にお別れのあいさつをしましょうか」



しらないことが おいでおいでしてる
出かけよう くちぶえふいてさ
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しらべてなっとく うんそうか!
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たんけん はっけん ぼくのまち
(NHK教育テレビ「たんけんぼくのまち」のテーマ 作詞:山川啓介 作曲:福田和禾子)
To Be Continued...
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