2012/12/01

結局、女は「有名になれば勝ち」なのか 勝間和代「『有名人になる』ということ」

「有名人」になるためには、バラエティ番組でカラオケだってしちゃいます。

アヒオ「ブログを見ているみんな!こんにちは!

僕の名前はアヒオ。今日は白鳥(しらとり)先生から、僕たちがまだ知らない世の中のことをいろいろ教えてもらうんだ。 

白鳥先生、今日の授業のテーマはなんですか?」

白鳥先生「今日のテーマはズバリ、「有名人になる」ということよ」



アヒコ「え!?有名人になる方法を教えてくれるんですか?

ひょっとして、テレビに出る方法とかですか?」

アヒオ「うーん。そういうお話だったら、僕は別に有名になりたいと思わないから、興味ないなあ」

白鳥先生「二人とも早とちりしないで。「『有名人になる』ということ」というのは本の題名だから

今日はこの本を紹介して、「『有名人になる』ということ」はどういうことなのかを二人に考えてもらおうと思っているの。

著者は経済評論家の勝間和代さんよ」

アヒオ「出た!」

アヒコ「一部でセンセーションを巻き起こした結局、女はキレイが勝ち」の勝間さんですね。

確かにある意味有名ではあるけれど・・・」

白鳥先生「なにはともあれ、百聞は一見にしかずというから、ちょっと本を見てみましょうか」


アヒコ「あら、今回は勝間先生のお写真はないのね」

アヒオ「西原理恵子の『あんた有名じゃないって。』というツッコミがいいね。だれもが書名を見てまず思うことだからね」

白鳥先生「そうね。勝間先生のご尊顔が表紙になっていた結局、女はキレイが勝ち」のころのようなアグレッシブさが薄れて、勝間先生守りに入ってるわよね。この点は個人的には少し残念だわ。

それはともかく、この本は勝間和代が「どうやったら有名人になれるのか、そのときに得られるものは何か、失うものは何か、わたしの記憶が新しいうちに、正直に、赤裸々に、事実をまとめました」という、有名人になるという状態がどういうものか、自分の体験を元に分析する、ちょっと他に類をみない珍しいタイプの本なのよ

アヒオ「確かに、ちょっと珍しい本ですね。有名人になる方法とか目立つ方法とかアピールの仕方の本なんかだとよくあるけれど、こういうのはちょっと新鮮かもしれません」

白鳥先生「でしょ?

それに勝間さんがおもしろいのは、「本を書いたり取材を受けたりしているうちに、あれよあれよという間にメディアへの露出が増えて有名人になってしまった」のではなくて、自覚的に、自分の会社の社員の雇用と自分の社会的責任の達成のために「有名人になる」というビジネスをはじめているところなのよ。

そして、熱心に自分の露出を最大限にしようとした結果、あの「カツマー」ブームがはじまったのだと本人はいっているわね

アヒオ「へええ。

結果的に「有名になった」のではなくて、「有名になる」ことが目的であり、やりたいことを達成するための手段であったっていうわけなんですね。

女性なのにすごいキャリアをもっていることと、自転車に乗ったりする天然キャラとのギャップがたまたま時勢にのってウケていたのだとばっかり思っていました。

でも言われてみれば、なんとなく勝間さんらしいなあ」

白鳥先生「そうよね。

勝間さん自身が著書で「ある意味、あの一時期、わたしよりも熱心に「有名人になる」ことをビジネスとして行なっていた人はそうそういないと思います」と言い切るのだから、たいしたものよね。

そんな勝間さんが有名人になるためにいったいどんな戦略で努力をしたのか、その結果どんなメリット、デメリットが生まれたのかを、本人の口から赤裸々に語ってくれるのが本書の魅力よ


アヒコ「で、肝心の内容はどうなんですか?

有名人になる方法が書いてあったり、役に立つことが書いてあったりするんですか?」

白鳥先生「もちろんよ! それじゃあ目次の章立てを簡単に紹介してみましょうか。


  • はじめに
  • 第1章 有名人になるということ そのメリットとデメリット
  • 第2章 有名人になる方法
  • 第3章 有名人をつくる人たち
  • 第4章 「終わコン」 有名人としてのブームが終わるとき
  • おわりに〜 それでも有名人になりたいですか?

アヒコ「本人もブームが終わったことは自覚あるのね。

有名になった人がピークの時に本をだすことはよくあるけれど、ブームが終わった後、自らそれを認めた上で、それについてなにか書くっていうのもおもしろいわね

アヒオ「確かに凡百の有名人本とは違う、勝間和代にしか書けない本かもしれませんね。

先生、これってひょっとして、本当に面白い本なんですか?」

白鳥先生「アヒオ君!何を言ってるの!

先生はこれまでも、超絶面白いオモシロ本しか紹介したことがないじゃない!

ともあれ、この本は有名人になりたい人じゃなくても、「昔あんなに人気のあった人が今、全くテレビで見なくなったのはどうしてだろう」みたいな疑問を持ったことがある人や、有名人になるってどういうことかイマイチ想像できない人が読んでもおもしろいと思うわよ。

勝間さんは有名になった自分に舞い上がることなく、メリット、デメリットやその理由なんかを普段書いているビジネス書と同じ手法で分析しているので、マーケティングの本としても読めるので、ビジネスマンにもオススメかもしれないわね」

アヒオ「ところで、これはやっぱり聞いておきたいんですけれど、あの怪作「結局、女はキレイが勝ち」についてはなにか言及してるんですか?

白鳥先生「もちろんよ!

ちょっと引用してみましょうか。

(引用)

以前、西村博之さん・堀江貴文さんとの鼎談本『そこまで言うか!』で物議を醸した『結局、女はキレイが勝ち』という本についてですが、じつはあれ、わたしは大まじめに出しました。

(中略)

いやぁ、みんな中身を読まずにタイトルだけでやいのやいの言う、ということをこの本ではじめて学びました。

(中略)

あらゆる面で学びの多い一冊でした。

(引用終わり)

というわけで、勝間さん、大まじめだったみたいよ。

でも、この言及にひとこと言わせてもらうと、私はタイトルだけじゃなくて、ちゃんと中身を読んだ上でやいのやいの言っていたんだけどね(笑)」

アヒコ「やっぱりそうだったのね・・・」

アヒオ「でもそこまでさらけ出してぶっちゃけていると、逆に好感がもてますね」

白鳥先生「そうね。勝間先生は天然過ぎて、誤解を受けやすいタイプなのね。きっと。

私ぐらい年季の入ったカツマーだと、それをわかった上で楽しんでいるんだけれど、Amazonのレビューなんかを見ていると、余裕のない人は真面目にとって本気で嫌ったりムカツイたりしているみたいね。

そういう人は勝間本を読む時は、もっと「心を整えて」欲しいわね」

アヒコ「先生、それ違う人の本です」

アヒオ「他におもしろいところとかありますか?」

白鳥先生「そうねえ。

有名人になる方法や、メリット・デメリットなんかもそうだけど、私は「なぜ多くの、少し「終わってきた」女性タレントさんがヌードになるのかを勝間さんなりに考察している

「有名人であること」は「ビッグな自分という勘違い」と「『有名な自分』依存症」を招く

っていうテーマとか

有名人のブームがだんだん落ち着いて、終わっていくサイクルを分析した

「ブームは、せいぜい一〜二年しか続かない」

っていうテーマもおもしろかったわね」

アヒコ「確かに面白そうですね。

ところで先生、冒頭の画像ですけれど、勝間先生、有名人になるためにバラエティ番組にまで出演していたんですか?」

「目立つためにはどうしたいいの 一番の悩み」(広瀬香美 「ロマンスの神様」より)


白鳥先生「そうよ。

写真はバラエティ番組の「リンカーン」出演時のものね。この時、勝間先生は突然現れて、カラオケで広瀬香美の「ロマンスの神様」を絶叫する様子をお茶の間にお届けして、勝間和代の新しい地平を切り開いたのよね。まさに「その時、歴史は動いた」って感じかしら。

他にも「金スマ」でロングブレスダイエットに挑戦したり、「はなまるマーケット」でお料理やダイエットについて熱く語ったりと、有名人になるための努力に余念がないし、この実践力が本書の内容に説得力を加えているのよね。

ちなみに本書でも「有名になるために、メンタル面で必要な三つのポイント」をあげているわよ。


  1. 羞恥心を捨てて、有名になることを決意すること
  2. 有名になるに従って起きてくるネガティブな事象にもくじけないこと
  3. 有名人の仲間を見つけて、互いに支え合うこと



アヒオ「確かにすごい説得力だ!

それにしても勝間先生の出演する番組までチェックしているなんて、白鳥先生の熱意というか、暇人っぷりには脱帽です!」

白鳥先生「何言ってるの!アヒオ君!失礼な!

勝間ウォッチャーとして、このぐらい常識よ!

なにはともあれ、この本は、普段「勝間本はちょっと・・・」と思っているアンチ勝間な人や、「昔はよく読んでいたけれど、最近の勝間本は内容が薄くなったから読まなくなった」と思っている元ファンの人、あるいは普段ビジネス書を読まないような人でも、エンターテイメントとしてもおもしろいから、オススメよ。

もちろん、本気で有名人になりたいと考えている人、有名人になるのに憧れている人も必読よ」

アヒコ「確かにちょっと読んでみたくなりました。

それにしても、今日は白鳥先生が勝間さんの本をずいぶん好意的に紹介しているからびっくりしちゃいました。

でも、白鳥先生の勝間画像セレクトが、あいかわらず悪意たっぷり過ぎだと思います」

白鳥先生「アヒコちゃんまで何を言ってるの!

「有名人になる」っていうことはそういうことなんだから細かいことは気にしちゃだめよ

なにはともあれ、私たちの生きているこの世界には、まだまだ知らないことがたくさんあるということが勉強できてよかったわね。

それじゃあ、そろそろ時間よ。ブログを見ているお友達にお別れのあいさつをしましょうか」

三羽「は〜い!それじゃあみんな、またね〜!」


しらないことが おいでおいでしてる
出かけよう くちぶえふいてさ
びっくりしようよ あららのら?
しらべてなっとく うんそうか!
おもしろ地図を ひろげよう
たんけん はっけん ぼくのまち

(NHK教育テレビ「たんけんぼくのまち」のテーマ 作詞:山川啓介 作曲:福田和禾子)



To Be Continued...

<関連過去記事>
「結局、女はキレイが勝ち」なのか


<キャスト>


アヒオ・・・アヒル系男子。好きなチームはセレッソ大阪。


アヒコ・・・アヒル系女子。好きなスイーツは牛乳プリン。

白鳥(しらとり)先生・・・スワン系アラサー女子。カモ文化学園の教師。好きな牛丼系チェーン店は松屋。

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