テレビドラマ三国志、今回は第33回と第34回を借りてきました。
第33回はまさに「その時歴史が動いた」というにふさわしい三国志屈指の名場面、「三顧の礼」です。
年号は光栄の三国志ではシナリオ4でおなじみの207年。赤壁の戦いの前年です。
劉備はこの時、47歳、それにたいして孔明も27歳と実はそれほど若くはありません。
今風に言うと、自宅にひきこもってこの歳までニートやっていたようなやつだったわけです。
いくら仲間内で評判が高かったといってもしょせん勉強が優秀だっただけにすぎないわけで、27歳までろくに実務経験を積んでいなかった秀才が、実戦で果たしてどの程度力を発揮できるのかは未知数、と考えるのは関羽や張飛でなくても普通だと思うのですが、そんな疑念を一切いだかず、20も年下のニートを三度も訪問して頭まで下げてスカウトしたのですから劉備もただものではありません。
もちろん、実務経験ゼロから10年もかからずに、自分の領地さえもっていない劉表の居候のおっさんを補佐して自分の構想であった三国鼎立までもっていってしまった孔明のすごさはいうまでもありません。
ちなみにドラマでは劉備が最初に訪問した時は、孔明は旅に出ていて留守だったという設定になっていて、行き先は実は蜀の国の下見だったと後で明かされるという、今後の展開につなげやすくなるなかなかうまい演出になっています。
関羽と張飛です。関羽の容姿の特徴が「棗(なつめ)のような顔に、見事な髭の持ち主」なのですが、まさに関羽以外の何者でもない、みごとな役者さんです。
棗(なつめ)
張飛は張飛で「豹のような頭にどんぐりまなこ、燕のようなおとがい(顎)に虎ひげをたくわえている」という三国志演技の描写を具現化したような、どこから見ても張飛です。
彼はこのドラマでは口先だけでなく、本当に孔明の庵に火をつけて燃やしてしまいます(笑)。
そして第34回で時代はいったん戻って200年、孫策の暗殺から始まります。
孫策は三国志演義では于吉仙人に呪い殺されてしまうことになっているのですが、このドラマでは怪力乱神は語らないらしく(仙人好きなので、個人的には残念。ということは曹操をおちょくりまくった左慈もでてこないのかな)、普通に狩りの時に刺客によって暗殺されてしまいます。
後を弟の孫権に任せて死ぬ孫策。しかしこの後継者指名に不満を感じ孫策の妻の大喬をたてようとする勢力があらわれ、孫権は自分の力ではとても江東はおさめきれないとの思いをつよくする。そして孫権は孫策の親友の周瑜に自分にかわって孫策の後をついでもらうようお願いする、と多少オリジナルな展開になっています。もちろんそんな申し出を周瑜がうけるはずもなく、最後は孫権も腹をくくるんですが。
そこで気になるのが大喬ですが、演じているのは劉競という役者さんです。
刘竞的Blog
ドラマの中の大喬はなかなか綺麗で良い感じだったのですが、本人の記事やブログを検索して今の姿を拝見すると、普段はずいぶん濃い化粧をしていて、個人的にはかなり残念な仕上がりになっていました。ブログも数年前から更新が止まっているようです。
ともあれ、これで孔明と孫権が歴史の表舞台に立ち(実はこの二人の年齢は近くて、孔明が一歳年上)、役者はそろい、いよいよ物語は赤壁の戦いへと向かっていくわけです。
(参考資料)
立間 祥介「諸葛孔明 -三国志の英雄たち-」
立間 祥介「諸葛孔明 -三国志の英雄たち-」
この本は諸葛亮本の定番といえば定番なのですが、今読むと普通すぎて特におもしろいわけでもなかったです。
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