2012/04/17

伊藤洋一のRound Up World Now!「中国スペシャル」より 政治編

ポッドキャスト番組「伊藤洋一のRound Up World Now!」の2012年4月13日の放送内容(第679回)が富士通総研経済研究所 主席研究員の柯隆(かりゅう)さんを招いての「中国スペシャル」でした。

今年は中国で国家主席が交代する年ですし、最近、重慶市長だった薄熙来が失脚して、今後の中国の情勢の先行きがますます混沌としてきていますが、この対談は論点をわかりやすく整理してくれていて、内容もとても興味深かったので、文字おこし(一部読みやすいように編集)してみました。

完全な文字おこしではありませんので、興味を持たれた方は、番組を直接聞いてもらうといいかと思います。

番組は前半中国の政治について、後半経済についてだったのですが、今日は前半の政治編です。

(以下、ポッドキャストより)

伊藤洋一「まず最初に聞きたいのは、やっぱり薄熙来さん(重慶市委書記)が共産党のホープの一人であると言われていたのに、権力闘争に敗れたと言われる中で失脚しました。

まあ本当に失脚したかどうかはこれからの話だと思うんですけれど、それはよく広東省の汪さん(汪洋(おうよう)広東省省委書記)と比べられて、片方が残って片方が去ったという形になりましたよね、柯隆さんはこれ、なぜこういうことがおきたのか、そして中国のこれからの政治にどういう影響があるとお思いですか?」

柯隆「彼自身は、次の中国共産党常務委員会の9人の中に入っていきたいと思っていました。

それなのに失敗したのには2つの大きなポイントがありまして、一つは昔の文化大革命の時のいろんな歌を歌わせるキャンペーンで、大々的に歌わせてこれを自分の業績としてカウントしようとした。

しかし、あれを見て多くの人、文革の時打倒された長老も含めて、が本当にいい思いをするのかというと・・・。

私は彼のそういったキャンペーンは間違っていたと思うんですね。

それからこういうキャンペーンはやればやるほど、政治のある種の鉄則に反していると思います。すなわち、まだふたを開けていないのに、日本語で言うとでしゃばって、本当は低い姿勢で「ため」ていくのが鉄則なんですが、彼はでしゃばりすぎて敵をつくったんですね。いっぱい。

これが一つ目の大きなポイント。

二番目が彼は乗るボートを間違っちゃったんですね。

彼は本来ならば胡錦濤に近づいて胡錦濤のグループに入ればよかったのに、江沢民のグループにはいってしまった。

江沢民は去年の世界の新聞で「江沢民は死んだんじゃないか」と報道されて大きなダメージを受けました。彼は入ろうとしたグループが間違っちゃった。それで今回の権力闘争に決定的に失敗したんですね」

伊藤洋一「日本では中国のトップをめぐる権力闘争であるという見方があって、僕はそれは一種、路線闘争なのかな?という気がしていたんですね。

文革の流れをうまく利用したような重慶における統治方針と、それに対して温家宝さんはどちらかといえば趙紫陽さん(1989年天安門事件で失脚)に近い人だとも言われる。

やっぱり薄熙来さんを一番非難したのが温家宝さんなんですよね。そういう路線対立もあって、権力闘争に発展したのかなという気もしています。

いまの柯隆さんの話によると、薄熙来さんはむしろ路線を採用してそれを利用して自分の出世をはかろうとしたとうけとれますけれど、それは正しいんですか?」

柯隆「そうですね。今の中国の権力闘争と昔、例えば1989年天安門事件の時、趙紫陽が失脚したんですね。あの時と決定的に違うのがなにかというと、昔はイデオロギーの対立があって、倒れた人間は必ず批判されるのが「この人の思想が間違っている」とか。

だけど今回の薄煕来の失脚は哲学とか思想とかが全くなくて、アメリカ領事館に逃げた副市長(王立軍(元・重慶市副市長兼公安局長))の任命責任を問われたり、あるいは家族が腐敗しているじゃないかと、いってみれば既得権益の利害をめぐる対立が鮮明になってきて、この人達が思想的に大きく違うとかいうのは見えてこないんですね。」

伊藤洋一「それは昔の路線闘争とは違うところで今回は権力闘争であると。

そうすると権力闘争だとして、(今年、中国共産党の中央委員会は)9人のうち7人まで代わるじゃないですか。たくさん代わるので、広東省の汪洋さんにしろ、重慶の薄熙来さんにしろ二人とも入る可能性があるのに、マスコミはどちらかというと二人を対比してどっちが入るかみたいな議論をしていて、僕は7人も変わるんだから、柯隆さんも言うようにちょっと静かにして「ため」ればいいのに、なんで彼はそんなにあせって、自分の中央委員会入りを確実なものにしなかったのかよくわからない。(薄煕来は)太子党でしょ?」

柯隆「ようするに薄熙来がホープだと。じゃあだれのホープかというと全員のホープじゃないんですよ。江沢民グループのホープだと。

で、汪洋がね、どちらかといえば胡錦濤グループのホープ。

だから胡錦濤グループと江沢民グループの対立の縮図がこの二人みたいになっていて、それで結局負けたんですよ。お互いにグループからひとりずつ代表をだして、戦わせて最後に負けたというのが薄煕来。夏によくするコオロギを戦わせる遊びのような感じで薄熙来が負けちゃったんですよ」

伊藤洋一「うーん。でもね、あと6人が新しく中央委員会に入るわけじゃないですか。その6人は話題にならないけれどだいたい決まっているんですか?」

柯隆「政治の世界ですから、一寸先は闇と言われますが、他の人達は今は「ため」て、あまりでしゃばらずにいて、なにについて対立しているかというと、胡錦濤グループとしては多数をとりたい。江沢民グループも少しでも人数を増やしたい。

ただ、江沢民自体は彼自身が体力的に相当弱まってるものですからどこまでふんばれるか。おそらく胡錦濤グループ、いわゆる共産党青年団(「共青団」あるいは「団派」)出身者5人ないし6人が入るでしょうね。

伊藤洋一「だから9人のうち5席とれば多数派ってことですね。でこれは、発表するまでわからない」

柯隆「鄧小平の時代に決めた集団指導体制のなかで、5人をとらないと、いろいろな節目において弱いわけです」

伊藤洋一「それと関連してね、薄熙来さんを一番避難したのは温家宝さんだと思うし、重慶市のトップは反省しなけりゃいけないということをいっていましたよね、記者会見でも。

それで記者会見でもう一つ非常に特徴的だったのは温家宝さんが8年9年やってきて、思うとおりいかなかったこともいっぱいあると、まだやり残したこともいっぱいあるといういいかたをして、自分はどちらかと言うとあまり仕事しなかった人じゃないかと言われているのを理解しているうえで反省の弁を述べましたよね。

いったい彼は何をやり残して、何をやりたかったのか?その中にどうも政治改革が入っていたのかな?という気がするんですけれど、どのようにごらんになりました?」

柯隆「正直に言うと、政治改革できなかったのは温家宝の責任ではなくて、どちらかと言うと胡錦濤のせいなんですね。

一方その温家宝が、彼は時々インターネットを見るものですから、インターネットでの彼に対する批判には痛烈なものがありまして、それを彼もわかっていて、彼はなにを気にしているかというと、まず国有企業の改革。

進んでいるどころか後退しているわけです。よくいわれるんですが「国進民退」、国有企業が前進して、民営企業が後退する。これは彼が総理として責任をとらなきゃいけない。

二番目、国有銀行の民営化。これも進んでいない。

三番目に株式市場が低迷したまま。

多くの個人投資家はお金を入れたんですが全然マーケットとして繁栄してきませんから資産として目減りしているんですね。

さらにいうと既得権益のグループが例えば国有の石油会社だとか鉄鋼メーカーだとか市場を独占しながらたくさんのお金を儲けて自分だけ得しているわけですよ。こういうのを国民がみているとやっぱり不満がたまるわけですね。

これは温家宝の仕事のはずだけれど、彼はこれができなかったと。これは彼が記者会見でお詫びの意思を込めて一言いったんだと思いますね」

伊藤洋一「なぜできなかったんでしょう?温家宝さんは中国における「謝り隊」みたいな印象ですよ我々から見ると」

柯隆「おっしゃるとおりですが、だから彼がなぜ改革できなかったというと、まず彼ら個人の力、資質、能力が弱い。

二番目が彼自身の情報源が、彼は総理としては裸の王様ですから彼自身のネットワーク構築されていない。

それから三番目、胡錦濤が全面的に彼を支持していなかった」

伊藤洋一「おー、それは重要ですね。

柯隆「したがって彼は一人でわあわあ言っても下が全く動かないし、これで結局改革が進まない。でも彼はこの記者会見で一つ重要な話を言ったのは、自分にとって残り一年、だからこの一年はどんなことがあってもなにかをやってみたいということで、たぶんこれから本気でやっていかないと彼が辞めた後に後悔しますから」

伊藤洋一「なにかってなんですか?」

柯隆「まず銀行改革。二番目が国有企業改革。これを何としてもすすめていきたい。

だけど、これは既得権益集団の人達が抵抗しますから、それを彼は命がけでやるっていうような意思を述べてこの記者会見で述べたんですね」

伊藤洋一「(太子党の)薄熙来さんの失脚にともなって、(共青団の)李克強さんがむしろ首相の目がなくなったんじゃないかという意見があって、それはつまり(李克強は)共産主義青年団の勢力がなわけですから、(共青団が)強すぎると。

だから(太子党の)習近平さんは安泰だけれど、李克強さん(副総理)はむしろはずれるんじゃないかと。彼は結構有望だと見られたんだけれど、五分五分以下になったんじゃないかっていう説がありますよね。

王岐山(金融担当副総理)さんとかが(首相の)候補になってきて、温家宝さん(首相)の後任は誰になりますかね?

柯隆「李克強はこの数週間、たとえば人民日報にでてくる頻度で言うと数が圧倒的に多いです。

とりわけこないだ閉幕した海南島で毎年行われるボアオ・アジア・フォーラム、あれに李克強が中国の代表として出席して、各国の首脳、日本から福田さん(福田康夫元総理)がいかれたんですけれど、みんな会見してやったんですが、やっぱりテレビやマスコミででてくる回数で言うとやっぱり李克強が多いんですね。

だけどそれだからといって必ずしも李克強できまったかというとそうでもなくて、むしろ王岐山が「ため」ているわけですよ」

伊藤洋一「そうすると薄熙来さんの問題については共産主義青年団が勝ちましたと。

まあ太子党といわれてるね。でも江沢民そのものは太子党でもなんでもないですよね?どちらかというと江沢民グループに太子党がひっついているみたいな構造ですよね。これは一つの団体としてはちょっと軟弱かなあとも思うんですけれど、その江沢民と太子党との関係っていうのはなぜあんなに紐帯がしっかりしているんですか?」

柯隆「江沢民というのは鄧小平によって抜擢されました。

今、鄧小平の息子(鄧樸方)が健在で、ちょっと足が不自由ですけれど、彼がむしろ太子党のトップなんですね。薄熙来とも仲がいいし。

それで今おっしゃったとおりですが、太子党と上海閥の江沢民がくっついただけなんですよ。江沢民自身が上海閥だけでは権力で院政を敷くことが実はできないわけですよ。やはり太子党をつかわなければいけない。そこにたまたま利害が一致しているわけですね」

伊藤洋一「権力闘争って言うと要するに行政のトップとかね、権力を握ることがメリットになるって、中国で権力を握ることの最大のメリットってなんですか?」

柯隆「一つは人事、この人事でものすごく大きいわけですよ。

たとえば胡錦濤グループで一番おいしいのはやはり共産党トップの人事ですね。

今、胡錦濤自身が握っている。彼が最終的な判子を押す権限を持っていますから次、習近平さんっていうのはやっぱり判子を持つわけですよ。

今回の戦いの一つの意味が少しでも習近平の力を弱めようと。できるだけ裸の王様みたいにしていこうと。だから今回習近平にとってあまり気持のいいものじゃない。

今回のクーデターじゃないけれど、この重慶事件のタイミングを見ていただければ、ちょうど習近平がアメリカへ訪問する直前だったわけですよ。このタイミングが偶然かって言うと偶然ではないはずですよね」

伊藤洋一「でもなんで習近平そのものを変えよう、っていうことにはならないんですか?」

柯隆「あれは鄧小平も一言残してありますし、その後見人である江沢民が死んでいればまた別だけれど、まだ生きている(はずだ)から、そういう意味では今の胡錦濤グループでは今の習近平を直接倒せないのがたぶん事実だと思いますね」

伊藤洋一「よく日本の新聞には当たり前の事のように、共産主義青年団と太子党が権力争いしていると出ているんですけれど、共産主義青年団っていうのはようするに胡錦濤にしたって僕よりちょっと上ぐらいだから、共産主義青年団そのものが権力を持ち始めたのはせいぜいこの2〜30年ですよね?その前は革命派の長老派がいたので、そういうのがいなくなって、それが太子党と共産主義青年団に別れたっていう、そういう図式ですか?」

柯隆「そういう図式ですが、ただ太子党のなにが強いかというとお父さん(昔の長老、革命派)が残してくれた地盤があるんですよ。

あるいは産業。自分の親が例えば石油会社の社長だったり、工業省の大臣だったり、それを息子が引き継ぐわけですよ。それが強いわけです。

青年団の人達はどっちかっていうと団結力が強い。その反面、票田、地盤が弱いわけですよ。彼らがどちらかというと温室で育って、実務経験もあまりない。

でもいざとなったらグループとして出てくるから、そこが彼らの強いところ。逆に弱みもあるわけです」

伊藤洋一「共青団(共産主義青年団)ってようするにじゃあ、日本のライオンズクラブの若手サークルみたいなそういうことですね?」

柯隆「そういうことです」

伊藤洋一「ああ、なるほどね、それは図式としてはおもしろいなあ。

それでね、薄熙来さんの問題以来、中国のネットで例えばクーデターとか、そういう単語が検閲されるようになっているとかそういう話しがあって、そういう問題についてはセンシティブになってますか?」

柯隆「なっています。なっていますがただ、書き込みも激しいわけですよ。

今おっしゃったようにインターネットにクーデターの書き込みをして6人が逮捕された。

何を書いたかというと、北京市内に戦車が入ったと。クーデータの話が出て、それを流した6人がいずれも連行されているんですが、それから4月3日までの数日間「新浪微博(ウェイボ)」、中国版Twitterなんですが、あれが書き込みに対して返事ができない。

返信機能をストップさせられたんですが、4月3日からまた復活して、いったいなにをしようとしているのか我々にはわかりませんが、その返信機能がついていると、指導者にとって、あるいは指導部にとって何が不都合かというと、ようするに情報は一瞬にして乗数効果で広がっていくわけですから、それを一旦止めてみたんですよ。

今回はテストしてみたんですよ。止めてみた場合どうなるのか。一人で書き込む場合は(広がり方は)しれているわけです。でも、返信できると自分のフォロワーがいるわけですから、そうすると自分のファンがみんなリツイートしたりリプライしたりすると、これがどんどんひろがっていくわけですよ。だからテストしてみて、いざ予想外のことがあった時にこれを止めようと。要するにこのタイミングで指導部にとって神経を尖らせているんでしょうね」

伊藤洋一「これから秋にかけて、最終的に次の十年の体制が決まるわけですが、何が変わりますかね?要するに胡錦濤と温家宝はあまり仲が良くないというか、胡錦濤は共青団なんですが、温家宝は太子党ともいえないでしょ?」

柯隆「彼らの師匠が胡耀邦。80年代の。だから青年団に近いんです」

伊藤洋一「だから青年団のトップだったのが今回は、トップが太子党といわれる習近平、(共青団の)李克強がそこにつく」

柯隆「習近平の周りにできるだけ青年団出身の人をつけて、勝手なことをさせないようにしたいと」

伊藤洋一「薄熙来さんの問題があって、日本企業の中でもね、予想外のことが中国は起きるなあという見方があって、薄熙来さんの周りが次々に逮捕されたり、そこに親しかった企業なんかが行方を失ったりという問題が起きているじゃないですか。

これからも中国にはそういう政治リスクはありうるという話ですね」

柯隆「この程度の話は中国の60年ぐらいの歴史の中では本当に序の口というか、今回は薄熙来は犯罪じゃないんですよ。なのにもう即座に解任されたわけでしょ?だから今回の件で日本のいろんな大企業に講演に行くとみんなショックを受けているんですよ。

(薄煕来が)大連市長の時代から日本企業は相当つきあってきて、日本の商社は工業団地を作ったわけですよ。たくさん企業が進出して。それで多くの企業、特に例えば経団連みたいな大きな組織にとって、薄熙来というのは太いパイプだったわけですよ。突如パイプが切れてどうつながっていいかわからない。これはもうショックですよ」

伊藤洋一「あと、もうひとつお聞きしたいのはようするに中国では軍が非常に大きな力を持っていて、それを制御できたのは鄧小平ぐらいだと。

今は例えば南沙諸島でもそうだし尖閣でもそうなんですけれど、軍部が危機を作りながら自分たちの権利をこう広げていって、それは共青団でもないし太子党でもないところでなんか一つ権力を握ろうとしているという動きがあるような気が僕はするんですけれど、中国の軍部ってどういう位置づけになっているんですか?今は」

柯隆「この点はやはり多くの海外のみなさんが心配しているみたいで、すなわちクーデターが起きないのか、あるいは軍事政権が中国で誕生するんじゃないかとか。

私はまだ可能性は低いと思います。

なぜかというと軍の人事をだれが握っているかというと、国家主席と党の総書記と軍事委員会主席、この三位一体のポストが今は胡錦濤です。

軍事委員会の主席がもし分離したら、これは危ないんですけれど、これが三位一体になっていて、定期的に軍のトップの人事を回しているのですから、そうしていると癒着だとか、自分の陸軍なら陸軍で自分で全部そこにあつめてなんかやろうとか、これはまだやりづらい部分がありまして。

ただ昔と比べればちょっと最近でもいろいろ不可解な事件もありまして、ここ数日はネットに出ている話ですから言えるんですが、たとえば四川省から、重慶、吉林省へと一台のトラックが走っていて、それが湖北省の武漢あたりで止められたら、一万二千発の砲弾が積まれていまして、これなんだ?っていうことでいろいろ調べたらあとで分かったんですが、発表ではですよ、ようするにこれは正規のものだと。

だけど正規のもので普通のトラックに積まれて何の護衛もなくてね。

じゃあもしも山賊に襲われてとられたらこれは砲弾だから、爆竹じゃないのでこれはえらいことになりますよ。これはやっぱり不可解なわけですよ。例えば武器の管理だとかいろんな問題が。我々わからないんですが、そこはやはり統制、ガバナンスが弱まっているのはたぶん間違いないでしょうね」

伊藤洋一「なるほど。で、軍事費増えてますよね、中国でその軍事費よりも公安費用のほうが多いっていうのが最近の予算でわかって。

デモやストがいっぱいありますし、混乱に陥った広東省の村もあったんですけれど、そんなに中央の公安費用ってかかるもんですかね?」

柯隆「軍事費っていうのは中国の対外的なものですよね?で、今おっしゃった公安の安定維持費、これは国内の予算で。

今、外で戦争する背景に無いですよね?もちろん兵器の技術は強化しないといけないのはそうなんですけれどね、今、日々起きているのは国内の暴動ですが、それがあの広い国、いろいろな民族がありまして、とりわけ少数民族のチベットだとかウィグルとかを抑えるのにものすごいお金がかかるわけですよね。そういう治安維持費はかかりますよね」

伊藤洋一「中国の軍事費と公安費を足すと、ど偉い金額だ(笑)」

(この後、経済編に続きます)



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